任意売却と瑕疵担保責任。自宅を売却した後、瑕疵が見つかったら?

任意売却の瑕疵担保責任

 
通常の不動産売買は、売主が買主に対して瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)を負います。

瑕疵(かし)とは、簡単に言うと一見して分からないような重大な欠陥のことです。

不動産売買における瑕疵は、雨漏りやシロアリ、給排水設備のトラブルや建物の傾斜などがあり、売買後にこれらの瑕疵(欠陥)が発覚した場合、売主の責任において修繕しなくてはなりません。

ただし、任意売却の場合、原則として売主の瑕疵担保責任は特約により免責されます。つまり、引き渡し後に瑕疵が見つかっても、売主の責任は問われません。

任意売却では、売主が瑕疵担保責任を問われても、経済的に負担できないと考えられるため、買主も同意の上で売主が瑕疵担保責任を負わないとする特約を付けて売買契約を結ぶからです。

ですが、瑕疵担保責任を問われないからといって、既に分かっている欠陥を隠して売却することは信義則に反します。

特に任意売却においては、様々な面で買主の方から協力や理解を得ることが、売主の方にとっての利益につながります。

そこで今回は、不動産取引における瑕疵にはどのようなものがあるか、また瑕疵担保責任の詳細についてお話ししたいと思います。

中古マンション売買における瑕疵担保責任

マンションの場合、一戸建て住宅と比較して、売主が瑕疵担保責任を問われるケースはあまり多くありません。

なぜなら、土地に対する瑕疵担保責任がほぼないこと、木造特有のシロアリなどの問題がないこと、給排水設備や雨漏りなどの問題も多くは共用部分の瑕疵となり、その場合は建物の施工会社や管理組合などが対応するためなどの理由からです。

また、2005年に起きた耐震偽装問題や、2015年横浜のマンション傾斜問題など、マンション特有の欠陥工事等も、もし問題発覚前に中古マンションとして売却したとしても、売主に責任が及ぶことはないでしょう。

マンションを売却後に瑕疵担保責任が問われるケースとしては、例えば壁に穴が空いているのを、家具などで隠しておき、それを買主に伝えずに売却した場合などが考えられます。

ただ、実際にあったケースですが、おそらく地震により知らないうちに壁に穴が空いていたことに気づかず、引っ越すときに家具を移動して初めて気がついたといったことがありました。

瑕疵担保責任は売主が気づいていなかった場合でも、責任を問われることがありますので、任意売却に限らず、中古マンションの売却をお考えの方は、一度隅々までチェックなさってから売却手続きを進められてください。

中古一戸建て住宅売買における瑕疵担保責任

戸建て住宅の瑕疵については、建物と土地それぞれで以下の様な瑕疵担保責任が考えられます。

建物の瑕疵

  • ・シロアリ被害
  • ・雨漏りなど
  • ・建物の傾きや腐食など

土地の瑕疵

  • ・土地の中に祠などがある(若しくはあった)
  • ・土地にガラ(古い瓦やタイル、コンクリート塊など)が埋まっている
  • ・土壌汚染物質が含まれている可能性がある

これらの瑕疵は、売主が全く知らずに売却後発覚するケースもあります。

先述したように、任意売却の場合は一般的に瑕疵担保責任免責の特約を入れて契約しますので、瑕疵担保責任は問われませんが、通常の不動産売却で、個人が不動産会社に仲介を依頼して売却した場合は注意する必要があります。

仲介による不動産売買では、引き渡し後3ヶ月程度の瑕疵担保責任を付けての契約が一般的です。

もし建物が老朽化しており、あくまで土地の値段として販売し、建物は現状有姿として売却するのであれば、瑕疵担保責任免責の特約を付けて売買契約を結ぶ必要があるでしょう。

売却後の瑕疵担保責任によるトラブルを防ぐには、建物検査(ホームインスペクション)を行い、ホームインスペクション済の物件として売り出す方法などもあります。

また、民法第572条により、売主が瑕疵があることを知りながら、買主に告げずに販売した場合は、瑕疵担保責任免責の特約があっても責任を問われる場合があります。

民法第572条(担保責任を負わない旨の特約)
売主は、第560条から前条までの規定による担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実および自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。

さらに、土壌汚染などの「当事者の合意の範囲を超えるもの」と判断されるものについても、免責の特約が無効になる可能性があります。

もし、このような事態となった場合、弁護士などに相談しなければ問題の解決は難しいといえるでしょう。

瑕疵担保責任を問われないために

不動産業者が買い取った後、リフォームやリノベーションをして売り出した物件など、売主が宅建業者(不動産会社)の場合でしたら、2年以上の瑕疵担保責任が義務化されています。

しかし、売主が個人の場合は先述したとおり、引き渡し後3ヶ月程度の瑕疵担保責任を付けて売り出すのが一般的です。

もし、この期間に瑕疵が見つかった場合、買主は発覚してから1年以内であれば損害賠償を請求できることになります。

不動産は高額な取引となりますので、もし瑕疵担保責任でトラブルとなった場合、売主が無条件で請求に応じるのであれば別ですが、ほとんどのケースで解決まで時間も労力も要することになってしまいます。

物件を売り出すときに、少しでも高く売りたいとお考えになる事は当然ですが、後々トラブルの可能性があることは、契約前に明示しておくことが大切です。

その上で、瑕疵担保責任を付けるのであれば相場より高めの金額で、免責であれば相場より低めの金額で契約を結ぶといった駆け引きも必要ではないでしょうか。

また、仲介を依頼する不動産会社や担当者によっても、経験や知識の差により、対応が代わってきます。

できるだけ、信頼できる不動産会社や担当者に仲介を依頼することも大切でしょう。

 

任意売却の場合は、原則的に瑕疵担保責任が免責されるため、売却価格は相場より低めとなってしまいます。

ただし、このことはほとんどの債権者(住宅ローンの金融機関)も理解されていますので、任意売却の売却価格については同意していただけます。

このように、瑕疵担保責任だけ考えれば、一般の不動産売却より任意売却が有利な面もあります。

任意売却についてもっと詳しくお知りになりたい方は、ご遠慮なくお問い合わせください。
 

 

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