マンションの任意売却は意外とスムーズ?!
マンションは分譲当時の図面やパンフレットが豊富に残っていることが多く、物件の状況も戸建てに比べて把握がしやすいため、債権者との売り出し価格の調整が済めば、すぐに販売活動に入っていくことが出来ます。
また、同一マンションの同じタイプの部屋の販売履歴があれば、それを参考にして、マンションの売り出し価格を債権者とスピーディに合意をすることが出来るメリットもあります。
ただし、マンションの任意売却には、戸建ての任意売却では発生しない問題もあります。
マンションの任意売却で起こる特有の問題
マンションの任意売却においては、管理費と修繕積立金はもちろんのこと、専用庭使用料、ルーフバルコニー使用料、駐車場代、駐輪場代、町会費、インターネット使用料、水道代、暖房基本料、CATV使用料などといったマンション特有の諸費用の支払いや、その滞納が任意売却をするうえで問題となってくるのです。
したがって、まずはこれらのマンション特有の諸費用が幾らかかるのか、滞納しているものはどの費用かを正確に申告していただく必要があります。
任意売却の債権者といえば、住宅ローンを貸し出している銀行などがイメージしやすいと思いますが、これらの諸費用などを滞納している場合には、マンション管理組合も債権者として意識する必要が出てきます。
管理費や修繕積立金の滞納は、その額も数十万円に上るケースが多く、遅延損害金も加算されるケースがほとんどですので、マンションの任意売却にかかる費用としては、その支払をどうするかが大きな問題となってきます。
これらを放置して任意売却を進めることは出来ませんので、任意売却の手続きに入った時点で、マンションの諸費用に滞納がある場合には、マンションの管理会社を通じてマンション管理組合に滞納分の支払いに関する相談を行っていきます。
住宅ローンなどの債権者によっては、これらの滞納分を一定の範囲で不動産を売却した金額から必要経費として「控除」してくれるケースもあります。
もっとも、遅延損害金が発生している場合には、遅延損害金までを必要経費と認めてもらえるとは考えにくく、改めてマンション管理組合に遅延損害金の減額などの相談をしていく必要があります。
いずれにせよ、マンションの任意売却で管理費などの滞納がある場合には、売主さまが、滞納問題を放置するつもりではなく、任意売却を通じて解決をしていく姿勢をマンション管理組合に示していくことが先決だといえそうです。