なぜ住宅ローンが払えないと任意売却できる?任意売却が可能な理由

任意売却ができる理由

 
住宅ローンの支払いが苦しくなってきたり、滞納してしまった場合、多くの方が不動産の売却も視野に、今後の検討をされるのではないでしょうか。

住宅ローンの滞納前であれば、条件の良い住宅ローンへの借り換えや、返済期間の延長や返済額を一定期間軽減してもらうなどの交渉を行うことで、月々の支払い負担を減らすことも可能です。

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もし住宅ローンを滞納してしまっても、差し押さえ前であれば、比較的有利な条件での任意売却が見込めますし、競売が開始されても開札前日までは任意売却が可能です。

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通常、マンションや戸建て住宅、土地などの不動産を売却する場合、抵当権が設定されていなければ一般的な不動産売却の手続きとなります。仲介を依頼された不動産会社が販売活動を行い、購入者を見つけ、代金を受け取って物件を引き渡し取引終了という形です。

また、売却する不動産に抵当権が設定されていても、売却前に残債務(住宅ローン)を一括返済できれば、抵当権が抹消され不動産売却できます。

オーバーローン(売却額より残債務が上回る)のケースでも、その差額を一括で返済できるのであれば、不動産売却後に残債が残らないため問題はありません。

オーバーローンとなっている物件で、差額の一括返済が難しく残債がでてしまう場合、通常の不動産売却では抵当権抹消ができずに売却できないため、任意売却の手続きを経て債権者に抵当権を抹消して貰うことで、売却が可能になります。

それではなぜ、銀行や住宅金融支援機構などの住宅ローンを取り扱う金融機関は、残債があるにも関わらず任意売却に応じるのでしょうか。

もちろん債務者(住宅ローンを借りている側)の残債は消えて無くなるわけではないので、最終的に回収できれば、債権者(住宅ローンを取り扱う金融機関)が一方的に損する訳ではありません。

ですが、全額回収には時間もかかるため、一見、債権者が任意売却に応じるメリットはないように思えます。

しかし、現実には銀行や住宅金融支援機構は、住宅ローンの支払いを延滞した人に対して、積極的に任意売却を勧めてきます。

そこで今回は、任意売却が可能な理由(債権者が任意売却を勧めてくる理由)についてお話ししたいと思います。

任意売却の法律的根拠

2015年11月現在、債権者(住宅ローンを取り扱う金融機関)が任意売却に必ず応じなければならないという、法律的な根拠はありません。

正確には、自己破産の場合のみ、破産法第78条に破産管財人が不動産等を任意売却できるとして規定されています。
よって、任意売却はもともと、自己破産を前提とした手続きでした。

また、日本の高度成長期からバブル期にかけては、地価の上昇にともない不動産の資産価値も上昇傾向にあったため、オーバーローンとなること自体が稀でした。

しかし、2008年のリーマンショックによる景気の悪化により、中小企業の倒産などが相次ぐことが懸念され、2009年に中小企業金融円滑化法(通称モラトリアム法)が成立し、債務の返済が困難な企業などに対して一定期間猶予することが規定されました。

実は、この中小企業金融円滑化法は中小企業だけではなく、個人の住宅ローンについても規定されていました。

この法律により、金融機関は住宅ローンの返済が困難な債務者に対して、返済を猶予するなどの対応をする義務が生じます。

中小企業金融円滑化法は、当初2011年3月31日までの時限立法でしたが、1年間の延長を2回繰り返し、2013年3月31日で終了しました。
しかし、金融庁により、中小企業金融円滑化法終了後も「貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めること」「他の金融機関等と連携し、貸付条件の変更等に努めること」などが金融機関に通達されました。

中小企業金融円滑化法の期限到来後の検査・監督の方針 | 金融庁

これを受けて、各金融機関でも中小企業金融円滑化法終了後も引き続き、返済が困難な債務者に対して変わらずに対応していくとしています。

例:金融円滑化に向けた取り組みについて | 三菱東京UFJ銀行

このことにより、住宅ローンの支払いが苦しくなった顧客に対しても、返済のリスケジュールや猶予、任意売却の対応が可能となっています。

債権者(住宅ローンを取り扱う金融機関)にもメリットがある

まず大前提として、任意売却を行ったとしても残債がゼロになる訳ではありません。
したがって債権者は、この残債を回収できなければ当然ですが損をするということになります。

一方で、債権者にとっては、既に回収が難しくなっている債権(貸倒の状態)は、不良債権として税務上の処理をしたいと考えます。損金として処理できれば、その分は税金がかからないためです。

その場合、担保権(抵当権)がある債権は認められません。そのため、損金処理をするには抵当権を抹消する必要があります。

抵当権を抹消するには、競売をするか任意売却に応じる必要があります。

しかし競売では回収金額が低くなってしまうため、より多く回収するためには任意売却に応じた方が良いということになります。

債権者は経済的に必ず損しているわけではない

住宅ローンを組むとき、銀行の住宅ローンのほとんどが保証会社の審査を通し、保証会社を第一抵当権者として抵当権を設定した上で融資が行われます。

住宅ローンを借りる方は、この保証会社に保証料を支払います。

そもそも、なぜ保証会社の保証料を支払って保証してもらう必要があるのでしょうか。

それは、住宅ローンを借りたお客様が、住宅ローンの支払いができなくなったとき、保証会社が住宅ローンの残債を債務者に変わって住宅ローンの金融機関に支払うことで、金融機関に不良債権を残さないためです。

この、保証会社が残債の一括払いをすることを、代位弁済といいます。代位弁済が行われれば、住宅ローンを融資した金融機関は回収完了となり損することはありません。

この代位弁済が行われたあとは、保証会社が債権者となって、残債の回収を行って行きます。この残債を回収するために、保証会社が抵当権者となっています。

抵当権を行使する(競売の申立てをする)ことで、全額は無理でもある程度の回収ができるように担保しているわけです。

その後、残った債権(代位弁済の金額(住宅ローンの残債)-競売で売却できた金額)の支払いを債務者に求めていきます。

この最終的に残った債権を回収できなければ、その分を保証会社が損するということになります。

保証会社は、多くの人を保証する中で、一定の割合で払えなくなる人が出てきて、損失が出ることを見越して保証料を決めています。
つまり、保証会社に保証してもらう制度は、ある意味で保険や共済と同じだとも考えられる訳です。

そのため、住宅ローンを支払えなくなる人が極端に増加するなどの事態がなければ、保証会社にとって一定の割合で損失が出ることは想定内でもあるわけです。

ただし、保証会社も企業である以上、利益を追求していくことは当たり前ですので、やみくもに競売をして回収額が低くなるよりは、任意売却によって、より多くの回収を図りたいと考えます。

よって、銀行を始めとする住宅ローンを取り扱う金融機関は、住宅ローンの支払いが困難になったお客様に対し、任意売却を勧めることになります。

保証会社にとって、想定内である負債(競売や任意売却後に残った残債)は、債権回収会社(サービサー)に売却されます。

この売却は、負債額がそのまま譲られるのではありません。

保証会社にとっては、もともと想定内の負債ですので、サービサーに幾らかでも売却できれば良いということになります。

債権回収会社(サービサー)が保証会社から買い取る金額は、負債の額面の2%~5%といわれています。500万円の残債があった場合、10万円~25万円ということです。

サービサーに買い取られた債権は、このサービサーが債権者となって債務者に請求されることになります。

サービサーは買い取った金額以上を回収できれば、利益が出る形になります。

 

最初から住宅ローンが返せなくなった場合を想定して、住宅ローンを組む人はいないと思います。

しかし、様々な要因で返済が困難になる方は、必ず一定の割合で出てきます。

住宅ローンを貸す側は、そのことを想定して、ある意味システムを構築しているといえます。

企業のリスクマネジメントとしては当然のことです。

借りたものを返すのは原則として当たり前のことですが、どうしても難しくなることは誰にでも起こりえます。

そのときは、より良い再起の道を開くために早く行動を起こしてください。

「任意売却の窓口 福岡無料相談所」では、お客様の再スタートを全力でサポートいたします。
 

 

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