印紙税について – 不動産売買時に必要な税金その1

印紙

前回の記事「 固定資産税と都市計画税は納税必須?不動産所有中にかかる税金とは」では、不動産を所有している期間中に、毎年納税する 固定資産税と都市計画税について解説をいたしました。

今回は、不動産売買すなわち購入時と売却時に必要な税金の中で、売り買い両方に共通して課税される「印紙税」についてお話ししていきます。

ブログ記事「固定資産税や所得税だけじゃない!不動産にかかる税金とは?」でご紹介しましたが、不動産売買時に納める税金の種類は以下の通りです。

  • 【購入時】
    • 印紙税
    • 登録免許税
    • 不動産取得税
    • ※ 消費税
  • 【売却時】
    • 印紙税
    • 登録免許税
    • 所得税
    • 住民税
    • ※ 消費税

※ 消費税については、かかるケースとかからないケースがあります。

この内、印紙税と登録免許税が不動産売買時に共通してかかる税金となります。
どちらも国庫に納める国税で、印紙税は契約書を交わすとき、登録免許税は登記の時に納税します。

それでは印紙税について解説します。

【不動産売買時に必要な印紙税とは】

印紙税は、不動産売買契約書などに所定額の印紙を貼付する形で納税します。

購入時と売却時の不動産売買契約書の他、住宅ローンの金銭消費貸借契約書や、注文住宅を新築する場合や建て替えの時に交わす建設工事請負契約書等にも添付して納付する義務があります。

そのほかに、不動産売却代金を受け取ったときの領収書にも印紙は必要ですが、売り主が不動産会社ではなく個人の場合、マイホームやセカンドハウスの売却については発行する領収書を営業に関しない受取書とすることで、印紙税が不要となります。

契約書は通常、売り主と買い主双方で作成する(つまり2部作成される)ため、売り主と買い主双方に印紙税が生じます。
しかし、契約内容が同じ契約書であれば、原本と写し(コピー)とすることで印紙税の負担を半分にすることが可能です。
その場合、写しに直筆の署名押印をすると、契約の成立を証明する目的で作成された文書であると認められ印紙税が必要となりますので、注意が必要です。

また仮に、契約書に印紙を貼らなかった場合でも契約自体は有効に成立します。
しかし、税務署に指摘された場合、本来の印紙税額+その2倍に相当する金額(つまり正規の税額の3倍の額)を納めなくてはなりません。

印紙税は、基本的に税抜きの金額により決定されます。
また、消費税が5%から8%に増税されたことにともない、2014年4月1日~2018年3月31日まで約半額とする軽減措置がとられています。

下記に印紙税額を一覧表でまとめました。
それぞれ100万円以下と5億円超の部分は省略してあります。
※必要な方はこちらをご参照ください。
不動産の譲渡・消費貸借等に関する契約書 | 国税庁
請負に関する契約書 | 国税庁

【不動産売買に関連する印紙税(印紙代)一覧】

(1)不動産売買契約書・金銭消費貸借契約書の印紙税
記載された契約金額 税額
100万円を超え~500万円以下 2,000円
500万円を超え~1,000万円以下 1万円
1,000万円を超え~5,000万円以下 2万円
5,000万円を超え~1億円以下 6万円
1億円を超え~5億円以下 10万円

 

(2)建設工事請負契約書の印紙税(印紙代)
記載された契約金額 税額
100万円を超え~200万円以下 400円
200万円を超え~300万円以下 1,000円
300万円を超え~500万円以下 2,000円
500万円を超え~1,000万円以下 1万円
1,000万円を超え~5,000万円以下 2万円
5,000万円を超え~1億円以下 6万円
1億円を超え~5億円以下 10万円

 

(3)不動産売買契約書の印紙税[2014年4月1日~2018年3月31日までの軽減措置]
記載された契約金額 税額
100万円を超え~500万円以下 1,000円
500万円を超え~1,000万円以下 5,000円
1,000万円を超え~5,000万円以下 1万円
5,000万円を超え~1億円以下 3万円
1億円を超え~5億円以下 6万円

 

(4)建設工事請負契約書の印紙税[2014年4月1日~2018年3月31日までの軽減措置]
記載された契約金額 税額
1万円以上~200万円以下 200円
200万円を超え~300万円以下 500円
300万円を超え~500万円以下 1,000円
500万円を超え~1,000万円以下 5,000円
1,000万円を超え~5,000万円以下 1万円
5,000万円を超え~1億円以下 3万円
1億円を超え~5億円以下 6万円

それでは、ケースに応じてどの表を参照すればよいのか解説いたします。

【不動産購入時の印紙税】

不動産購入時の印紙税はいずれも売り主・買い主ともに納税義務があります。
ただし契約書を原本と写し(コピー)とすることで印紙税の負担を半分にできます。
税額は契約書に記載される税抜きの金額によって決まります。

不動産購入時
不動産売買契約書 表(1) ※2018年3月31日までは表(3)

以下の場合は、不動産売買契約書に貼付する印紙以外に必要な印紙税額です。
不動産売買契約書と同じく、契約書に記載される金額により税額が決まります。

住宅ローン契約時
金銭消費貸借契約書 表(1)※2015年10月現在軽減措置はありません
注文住宅を新築・または建物を建て替えた時
建設工事請負契約書 表(2) ※2018年3月31日までは表(4)

 

【不動産売却時の印紙税】

不動産売却時の印紙税はいずれも売り主・買い主ともに納税義務があります。
ただし不動産購入時と同じく、契約書を原本と写し(コピー)とすることで印紙税の負担を半分にできます。
税額は契約書に記載される金額によって決まります。

また任意売却の時は、多くの場合、売り主の経済状況を考慮して、買い主が全額負担する事になります。

不動産売却時
不動産売買契約書 表(1) ※2018年3月31日までは表(3)

 

次回は登録免許税についてお話ししたいと思います。

 

 

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