一戸建て住宅を売却する理由には、人それぞれの事情があります。
しかしどのような事情であれ、なるべくなら良い条件で売却したいものですよね。
一般的に一戸建ての購入は、人生の中で大きな買い物になります。
逆に家を売却する場合も、人生のターニングポイントとなるでしょう。
今回は一戸建てを売却するコツについて書いてみたいと思います。
任意売却の場合、必ずしも当てはまるわけではありませんが、知識として知っておかれることをおすすめします。
【戸建て住宅を有利に売却する5つのコツとは】
1.無料の一括査定サービスで売却額を判断しない
2.自分でも情報を集める
3.適正な売却希望価格を設定する
4.内覧には全力を注ぐ
5.住宅診断で現状を把握しておく
それでは、各項目について詳しく解説していきたいと思います。
【1.無料の一括査定サービスで売却額を判断しない】
通常、不動産の売却を検討される場合、いくらくらいで売れるのか査定を依頼されると思います。
最近ではインターネットで、複数の業者から一括で無料査定を受けられるというサービスもあります。
この一括査定や一括見積などのサービスは、不動産の売却だけではなく、車やバイクの買い取り・引っ越し・保険など様々なサービスがありますので、使ってみたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このようなサービスは、ほとんどの場合無料で利用でき、一度の手間で多数の業者の査定額がわかるため大変便利に感じられます。
ただし、申し込んだ各業者に電話番号やメールアドレスなどの個人情報が渡りますので、その後の電話対応や、メールの返信に苦慮させられる方も多いようです。
一括査定に参加している業者はライバルが多数いることもわかっていますので、中には相場を遙かに上回る金額を提示してくる業者もあります。
当然ですがその査定額で実際に売却することは難しいでしょう。
相場観を調べるために利用してみるのも良いかと思いますが、参考程度に考えることが大切です。
利用する場合も、信頼できると思える不動産会社をまずは2~3社程度選んで利用されることをお勧めします。
本当に家の売値が分かる?不動産一括査定のメリット・デメリットとは
【2.自分でも情報を集める】
不動産会社に査定してもらう以外にも、売主自身でも情報を集めることは可能です。
近所に似たような不動産物件がある場合、価格設定の際の参考になります。
どのような物件が、どのような条件などで取引されているか調べておかれると良いでしょう。
売却する不動産は、特別なセールスポイントがない限り、相場より高値で設定してもなかなか売れません。
物件がコンクリート構造か、木造であるか、耐用年数などでも査定は変わってきます。
また、傷んだ場所を修理・リフォームした場合などの金額も考慮しなくてはいけません。
さらに土地の面積を把握していれば、測量の手間を省くことができます。
土地の価値相場も調べておくと、査定の基準にできるので便利です。
【3.適正な売却希望価格を設定する】
初回の売値を決める際は、売却希望価格の最高価格と最低価格をしっかりと決めておいたほうが良いでしょう。
希望価格に設定しておいても、売れないときに値引きする最低ラインが重要になるからです。
なるべく早く売りたい場合は、最低価格に近い金額で交渉すると売買がスムーズになる場合があります。
しっかりと買い手の立場にも配慮して、交渉することが大事になります。
できるだけ高い価格で売りたいのであれば、ある程度時間の余裕を設定しておく必要もあります。
売り急いでいるという印象を与えてしまうと、買い叩かれる危険があるからです。
また希少価値の高い物件の場合、希望価格よりも高く売れることもあります。
しかしあまりにも希望価格を高額に設定していると、買い手が躊躇してなかなか売れないなどのケースも見受けられます。
坪単価や、建物の耐用年数、傷み具合を参考に希望価格を設定するのがポイントになります。
【4.内覧には全力を注ぐ】
物件を売り出した後、購入を検討している方が内覧に訪れます。
ここで良い印象をもっていただけることが、その後の売買交渉の成否に直結します。
内覧には手を抜かず、しっかりと準備しましょう
照明
内覧の際は、照明を点けて明るい状態にしておきましょう。
特に玄関周りは、普段あまり意識することがないかもしれませんが、要注意の場所です。
買い手をお迎えする玄関が暗いと、マイナスの印象を与えてしまいます。
照明が暗い時は、電球を交換しておかれても良いでしょう。
部屋の中が暗いと、家全体の印象が悪くなってしまう可能性があります。
カーテンなども開けておき、自然光を取り込めば好印象のようです。
換気
室内の換気にも、十分気を遣いましょう。
自分の家の臭いはあまり気になりませんが、他人の家の臭いは気になると思われませんか?。
特に煙草やペットの臭いなどは、予め消臭対策をなさった方が良いでしょう。
内覧の前には、窓を全開にして空気の入れ替えもしっかりしておきましょう。
整理整頓
居住中の家を内覧してもらう場合、できるだけ掃除や整理整頓を心がけましょう。
実際に住んでいるときにはあまり気にならなくても、よその人から見ると雑然としているように見えてしまいます。
整理整頓ができていないと、家に対する扱いも雑に感じられ、希望価格での売却も難しくなってしまいます。
事前に、できるだけの準備はしておきましょう。
但し、物を減らしすぎてあまりにも生活感がなくなるのは、逆効果の場合があります。
適度な生活感を持たせましょう。
ハウスクリーニング
あらかじめ、ハウスクリーニングを頼んでおくのも効果的です。
自分ではなかなかできない、汚れの気になる部分を綺麗に掃除してくれます。
特に水回りなどは気にされるお客様も多いので、綺麗にしておくだけで効果てきめんです。
床・壁・柱など、汚れが目立つ箇所を重点的にクリーニングしてもらうことも大切です。
また、エアコンを使用する季節では、エアコンも掃除しておくと室内の空気が良くなります。
生活に関する情報
実際に生活してみないとわからない情報も、買い手は求めています。
立地条件を説明するのに、買い物できるお店や、役所の場所などを教えるのも好印象です。
ゴミ捨てのルールや近辺の生活情報なども、説明できように準備しておくと、交渉が順調になるでしょう。
押し売りしない
内覧の際に、気をつけたい点として、押し売りをしないということがあります。
売りたい気持ちが強くなるのはわかりますが、過剰に売り込もうとすると逆効果です。
もちろん、質問されたことに対して答えることは構いません。
聞かれたこと以上の話は、できるだけ控えておくのが良いかと思われます。
売主の印象
中古の一戸建てを購入したいと考えてる方は、家だけではなく売主にも注目しています。
ビシッとしたスーツ姿でなくても良いのですが、ある程度、清潔感のある格好をしておかれた方が望ましいでしょう。
もちろん、必要以上に買い手に対して媚びる必要はありません。
好印象を与えることで、少しでも有利に交渉を進めていきましょう。
【住宅診断で現状を把握しておく】
売りたい物件に欠陥などがある場合、なるべく隠さないほうが良いでしょう。
欠陥の種類は、屋根の雨漏りや床のきしみ、窓・雨戸のよじれなどが挙げられます。
そのような情報は、先に開示しておくことで売却後のトラブルを防げぐことができます。
理想としては、事前に住宅診断を受けてから、売りに出すのが望ましいと言えるでしょう。
住宅診断は、物件の現状を客観的に判断する指標です。
良いところも悪いところもハッキリしていれば、買い手の不安も解消されます。
以上のように、売却するときのコツを押さえておくと、希望価格での売却により近づくでしょう。
分からない部分は専門家に頼り、できる範囲は自分で行うことが大切です。
売り手と買い手のどちらも、納得して売買できることを目指しましょう。