不動産の売却は、不動産会社へ不動産売却査定を申し込むところから始まります。
「不動産売却査定は無料です」というチラシや広告を目にすることも多いでしょう。
ここでは任意売却の不動産売却査定と売り出し価格の決定についてご紹介します。
任意売却の不動産売却査定と売り出し価格の決定は、普通の不動産売却の場合と決定方法が異なっています。インターネット上で簡易に一括査定の出来るサイトを見かけることがありますが、そのようなサイトでは、まず任意売却のための不動産売却査定を行うことは不可能ですので、覚えておいてください。
普通の不動産売却査定は、不動産会社が市場での取引価格を調査し、「不動産売却査定書」(不動産会社によって不動産売却査定に関する書類の名前は異なります)を作成します。
売主は不動産売却査定書を参考にして、最終的に自分で売り出し価格を決定することができます。
つまり、通常の不動産売却の場合には、物件のオーナーである売主がすべての決定権を握っているといえるでしょう。
しかし、任意売却の不動産売却査定と売り出し価格の決定は、銀行や住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)などの住宅ローン債権者がほとんどの場面で決定権を握っています。
住宅ローンの滞納が深刻な状態になると、債権者から不動産の持ち主へ任意売却の勧告が行われる場合もあります。
不動産売却査定においても市場での取引価格を参考に行うことが基本とはなりますが、任意売却のための必要経費や住宅ローン残債の額、競売での類似物件の落札情報などを総合的に考慮して最終的に債務者の利益と債権者の利益の調整を図る必要があります。
通常の不動産売却査定よりも一段と説得力と公平感のある価格の提示ができるバランス感覚が必要となるわけです。
また、債権者によっては債権者の指定する方法で不動産売却査定を行うことを求める場合もあります。
こうして作成された不動産売却査定書を債権者に提出し、債権者の了承がとれた金額が、不動産の売り出し価格となります。
つまり、任意売却を行うか否かの決定権は不動産のオーナーにありますが、どのように査定していくらで売りに出すかの決定権は債権者にあるのです。
以上が通常の不動産売却査定と売り出し価格の決定と、任意売却の不動産売却査定と売り出し価格の決定の違いです。
任意売却では、不動産売却査定は債権者の意向が強く反映され、任意売却のご相談を受けた時点では、どの程度の価格で売り出すのが良いという具体的な不動産売却査定価格の提示を行うことは大変困難な分野だといえるでしょう。
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