競売と任意売却の違いとは?競売と任意売却のメリット・デメリット

競売と任意売却

 

住宅ローンの返済ができなくなってしまうと、いずれ債権者(住宅ローンを借りている金融機関や債権譲渡された保証会社など)から競売にかけられることは、ほとんどの方がご存じです。
一方、任意売却については、その言葉はご存じでも多くの方が内容を詳しく把握されていないと感じます。

持ち家(不動産)を強制的に売却されるのが「競売」で、自主的に売るのが「任意売却」だと思われている方がいらっしゃいますが、任意売却専門を掲げている不動産会社の多くは、持ち家の売却だけを目指しているのではありません。

不動産会社はお客様からいただく仲介手数料が主な収入となっています。
仲介手数料は成功報酬ですので、売買が成立しない場合はいただく事がありません。
したがって任意売却でご相談に見えられるお客様全てに、家の売却をお勧めすれば、当然ですが会社としての売上は上がります。

ですがお客様のご希望は、多くの場合「できれば家を売りたくない」「今の家から引っ越さずに済む方法がないだろうか」といったことです。
私どもは、まずお客様のご希望に沿う形での解決方法を探します。

例えば、借金の任意整理や個人再生で解決可能と判断した場合は、無料で提携弁護士をご紹介し、住宅ローンが返済できない問題の解決を図ります。
その結果、家の売却をすることなく解決できた場合は、私どもへの仲介手数料は発生いたしません。
無報酬にて対応させていただいております。(※弁護士さんへの報酬は発生します)

どうしても任意売却以外の解決方法がない場合には、お客様である債務者の方(住宅ローンの返済をできなくなった方)が、よりよい再スタートを切れることを第一に考えます。
債権者と交渉し、売却先との話をまとめ、引っ越し先の手配を行い、必要であれば弁護士なども紹介するというように、任意売却は知識と経験プラス人脈が必須の特殊な業務です。

不動産会社が取り扱う業務には、不動産の賃貸や売買の仲介、物件管理などの様々な物がありますが、その中でも任意売却は専門性が高く、どこの不動産会社でも行える業務ではないと言えるでしょう。

このように、競売では裁判所が粛々と進めていく手続きを見まもり、債務者の方はただ結果を受け入れるしかありませんが、任意売却では債務者の方のためにできることがたくさんあります。
では、競売と任意売却の違いについて、具体的にはどのような点が異なるのでしょう。

今回は、競売と任意売却の違いとメリット・デメリットについてお話ししたいと思います。

【競売と任意売却の違い】

競売 任意売却
売却価格  市場価格の50%~70%の金額になることが多い  市場価格に近い額で売却できる
残債務  債権者から一括請求を要求される  債権者と相談の上、分割返済が可能
明け渡し  落札後は強制執行もある  引っ越し時期を交渉できる
個人情報  公告で広く情報開示される  近所などに事情を知られずに売却できる
手出し費用  無い  無い
引っ越し代など  出ない場合が多く、出ても数万円  交渉により出してもらえる場合が多い
売却までの期間  申立て後6~8ヶ月  最短で約2ヶ月
住み続ける  ほぼ不可能  可能性あり

 
このように見ると競売と任意売却には様々な違いがあることが分かります。
なかでも一番の大きな違いは、売却後、新生活を始めるにあたっての金銭的・精神的負担ではないでしょうか。

売却価格の差が大きいので、必然的に売却後の残債も、任意売却の方が競売より少なくなります。
その残債も、任意売却では月々返済できる範囲での分割払いを債権者に交渉できますが、競売の場合は一括返済を求められます。

また、競売と任意売却のどちらも、手出しでの費用負担はありませんが、引っ越し代については競売の場合出してもらえる見込みが薄いのに対し、任意売却では出してもらえる可能性が高いです。

さらに任意売却の場合、親子間売買やリースバックなどで、そのまま住み続けられる可能性もあります。

競売の場合、家が競売で売りに出されたことを隠すことができませんが、任意売却の場合、家を売ることになった事情は他人に知られることが無いというのも、大きな違いと言えるでしょう。

【任意売却のメリット・デメリット】

上記、競売と任意売却の違いが、そのまま任意売却のメリットであると言えるでしょう。

メリット

  • ① 競売での落札価格よりも高値での売却が期待できる
  • ② 結果として、残債をより少なくできる
  • ③ 秘密が守られ、近所の知人に事情を知られずに売却することが可能
  • ④ 必要経費は売却代金から差し引かれるので、手出しの費用負担がない(※1)
  • ⑤ 条件によっては、売却された不動産にそのまま住み続けることができる場合がある(※2)
  • ⑥ 引っ越す場合は引っ越し代を負担してもらえる場合がある
  • ⑦ 引っ越し先も任意売却を依頼した不動産会社に手配してもらえる

※1.通常の不動産売買で売り主が負担する経費

・不動産会社の仲介手数料
・抵当権抹消費用
・固定資産税と住民税の滞納分
・マンションの管理費の修繕積立金の滞納分など

これらの費用を、債権者との交渉により売却代金から差し引くことができます。(つまり債権者が負担します)

※2.親子間売買やリースバックなどのケース

デメリット

  • ① 内覧が実施された場合、立ち会う必要がある
  • ② 売却できない場合もある(※3)
  • ③ 依頼する任意売却会社の選定が重要になる(※4)

※3.債権者や保証人の同意が得られないケースや、売却金額が折り合わないケースなど

※4.最初に申し上げたとおり、任意売却は専門性の高い業務のため、不慣れな不動産会社に頼むと思わぬトラブルになることがあります。
また、後から高額な費用請求をするなどの悪質な業者も存在するようです。

参照: 「任意売却専門業ではあり得ない悲しい事例」

【競売に債務者のメリットはあるのか】

競売のメリットは債務者にとってほとんど無いと言えますが、強いて言えば、競売が開始されてから落札され新しい所有者が決まるまで、何もせずにじっとしていれば良いことです。

住宅ローンの返済が滞ると債権者である金融機関からの督促が始まりますが、競売が決定すると督促は止まります。

その後、競売手続きが終わるまでの約半年間だけは、住宅ローンの返済について心配せずに済みます。
その間だけは、返済についての精神的苦痛が和らぐかもしれません。

ですが、落札されて代金が納付された後は債権者から残債の一括請求がなされますので、その残債をどうするか、また明け渡しや引っ越しをどうするかなど、考えることは山積みです。

こうなると、心機一転、希望を持って新生活に臨むことは難しいのではないでしょうか。
つまり、競売にメリットがあるとしても、それは一時的なものにすぎません。

 
福岡県の競売による落札件数は、平成22年のデータでは年間2032件でしたが平成26年は912件と半数以下となり、毎年減少傾向となっています。
※ 不動産競売物件情報サイト 過去データ分析

住宅ローンを滞納している人の数について正確なデータは無いのですが、2000年まで取り扱われていた「ゆとりローン」が10年過ぎて返済額の負担が大きくなっていることや、近年の所得水準が上がっていないことなどをふまえると、滞納している人の数が大きく減少しているとは考えられません。

その中で競売件数が減少しているのは、それだけ任意売却が認知され、任意売却で住宅ローンの滞納問題を処理される方が増えていると考えられます。
これは、私どもへの相談件数が増えていることからも実感しています。

相談は無料でうけたまわっておりますので、ご遠慮なくお気軽にお問い合わせください。

 

 

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